週末の小屋暮らし
cottage life at the weekend

春の朝


昨夜ラジオを聴きながら階下で就寝した彼が、ロフトに顔をのぞかせた。
 時計を見ると、まだ朝の4時半。

「小鳥たち、鳴いてる?」私は彼にたずねた。
「窓閉め切っているから、聞こえないんだよ」

そう言って彼はロフトの窓を開けた。




春の冷たい空気とともに、美しいさえずりが 室内に流れ込んできた。
「寝ていたら、こんな素敵な朝を逃がしてしまうね・・・」



ベッドから飛び起きて階下へ降りると、彼の姿はすでにフィールドスコープと一緒に消えていた。




裏に広がる林へ、バードウォッチングに出かけたようだ。

窓の外は新緑、空気も清々しい。




私は素早く身支度をし、双眼鏡を片手に彼を追って外へ出た。


 

裏手にあるミニ水芭蕉園を通り、オオヤマザクラの花を眺め、鳥の声が聞こえる林の奥へ長靴でザクザク入っていく。

同じエリア内にある大きな水芭蕉群生地へ出た。


 

すでに葉っぱが多くなってお化けのようになりつつあったが、やはりミニ水芭蕉園とは見応えが違う。

「いつか裏庭の水芭蕉園もこんな風になればいいな・・・」

水芭蕉群生地のすぐ横で、彼が鳥のさえずりが聞こえる方にカメラを向けていた。






被写体としてねらうのはコレ、「キビタキ」
でも、じっとしていないので撮るのは難しそうだ。

それでも何枚かの写真を撮って小屋に戻って来た。


朝一番のバードウォッチングを楽しんだ後は、テラスで のんびり朝食。
小鳥のさえずりを聞き、 満開の桜を眺める。

「去年の今頃はまだ基礎工事していたんだよね・・・」

ちょっと感慨にひたりながら、幸せを実感するひとときだ。


  


春の週末は忙しい・・・

まず、今年集めた薪用原木を整理して積み上げる。


 

次に、庭に穴を掘り、木を植える。
この穴掘りが結構ハードワーク、だって地中からは大きな石がゴロゴロ。

穴は大きく掘るけれど、植える木はみんな小さめ。
だって低予算でもたくさんの木を植えたいからね。

「小さく産んで、大きく育てる!」
「コラ、例えの使い方、まちがっとるぞ〜!」(笑)


  


桜が咲く頃、足元ではスミレが紫色の絨毯のように咲き、路肩ではタンポポも・・・。


  

普段は雑草として存在が邪魔にされるヨモギも、やわらかくてきれいな新芽を出したばかり。




そうとなれば作らねばならぬ、草だんご!
でも、団子粉は用意していない。

「確か冷蔵庫にお餅パックがあったよね。それをチンして、茹でたヨモギを混ぜて〜」




・・・ということで、 本日のお昼は、草餅!!

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