週末の小屋暮らし
cottage life at the weekend

冬の散歩


小屋暮らしに欠かせないのが「朝の散歩」だ。

毎回同じエリアを歩いていても、異なる季節の景色で飽きないものである。




冬の散歩は遅めで、朝食後。
お天気によっては午後からや夕方の散歩になることもある。

どうも二人とも一日中家の中で過すのが苦手なようで、曇天の日も、少々雪降る日だって散歩に出かけてしまう。

 

この日も一日中雪が舞っていた。

たま〜に少〜し青空がのぞくこともあったが、すぐに雪空に戻ってしまう、その繰り返しの一日だった。




私は朝から、小屋の中で使うためのある小物を縫っていた。

彼は本を読んでいたが、窓際へ行ったり、テーブルに戻って本を読んだりの繰り返し・・・。

午後、少し雪が弱くなった頃、彼が言った。
「ねぇ、家の中でチクチクしている? 僕はテクテクするけど・・・」
「エッ? テクテク? 私も行く」
ということでチクチク(裁縫)をやめて、テクテク(散歩)することになった。

雨具を着込み、長靴を履いて外に出た。


 

こんな日にわさわざ散歩する人はいない。
道は貸切だ!!


 

時々強い雪風に煽られつつ、歩いて30分弱の所にある焼きたてパンのお店に向かう。

こんな日はダラダラ歩くより、どこか目的地を決めて歩くのがいい。

パン屋さんに到着。
いつもなら午後のこんなに時間にあまりパンは残っていない。
でもこんなお天気、お店を訪れる人も少ないのだろう。珍しくいろんなパンが並んでいた。

3時のティータイム用に甘いパンを少し選び、朝食用の食パン1本も買った。

私達をスキー客と思ったのか、お店の人が言った。
「車の中に置いておくと、凍ってしまうかもしれない・・・」
「近くなので歩きです・・・、つまり散歩なんです。」
「エッ? 歩いて来たの? それはそれはご苦労さまです。」(笑)

お店の人もいつもより愛想が良かった。
雪の中ここまでやって来て、何だか得したような気分になった。


途中でこんな景色も見られるのだから、雪空の散歩も楽しい。






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