週末の小屋暮らし
cottage life at the weekend

田舎人の夏


7月半ば、夏がやってきた。

この時期は春の花と夏の花の移行期で、庭に咲く花も少なめ。




テーブルを飾る花もピンクのハルジオンから白っぽいヒメジョオンに代わり、夏の花ホタルブクロがメインをつとめる。


夏の朝は早い。

午前4時頃に彼か私のどちらかが目を覚まし、窓を開ける。
そして再び ベッドの中へ・・・

窓の外から聞こえてくる小鳥たちの歌声をBGMにしてまどろむ時間は至福のひととき。

5時すぎ、素敵な朝をベッドの中だけで過ごすのはもったいない気がして、階下へ降りる。

前夜9時頃には就寝していた彼だが、まだ夢の中のようだ。
「夏眠暁を覚えず」ってとこかな? (微笑)

私はキッチンに行ってお湯を沸かし、テラスに出て一人朝食前のティータイムをする。



少し緑が濃くなった庭の木々を眺め、フィールドスコープで鳥たちのようすを眺める。




庭の一角では、シジュウカラのカップルが子育てに大忙し。
朝早くから夕方遅くまで何度も巣箱を出たり入ったり・・・

丸々した栄養満点のイモムシや、時々は小さなクモなどをつかまえてヒナのために 何回も運んでくる。

6時半すぎ、彼がコーヒー片手に テラスに出てきた。
やっとお目覚めのようだ。 (寝る子は健康?−笑)

「シジュウカラは子沢山だし、みんなを育てるのは大変だなぁ」
「でもあのお父さん、エサ獲りが得意よ。さっきなんかたった3分でイモムシつかまえてきたもの。」
「野鳥観察する人は一日中ずっと観察して、エサの種類とか回数を調べているようだよ」

そんな会話をしながらのんびりテラスで過ごせるのも田舎暮らしならではだ。
街での暮らしは毎日時間に急かされ、ゆっくり座っている時間なんてとれないものね。

こんな素敵な時間を過ごせるなんて幸せかも・・・とか思いつつ、なんとなく巣箱の方を眺めていたら、、、

「あれ?ヒナが外にいるよ〜!!2匹、3匹・・・」

少し目を離していた間に、シジュウカラのヒナたちがみんな巣立ったようだ。

「みんな無事に生き残ってほしいわね。」


朝8時、村のチャイムが朝食タイムの合図。

今朝は彼が担当する『ホットサンド』
チーズ、ウィンナー、レスタにトマトもはさんで・・・






そして私の担当は、裏庭ミニ菜園で間引いた小さなミズナやルッコラとミニハーブ園のオレガノやレモンバームを混ぜた『グリーンサラダ』

ゆっくり時間をかけて朝食を準備したり味わったりできるのも、小屋で過ごす朝だから・・・




ここは 標高があるので朝の早い時間は 雲が多いが、今は青空が広がってきた。
気温が高くなりそうな予感・・・

「朝の涼しい時間帯に今日やるべき仕事を片付けてしまおう!」




彼は草刈機、私は鎌を片手に庭へ出る。


庭の一部に去年 クローバーの種を蒔いた。 だから今年はたくさん花が咲いている。




クローバーの花はシジミさんたちに人気!




こちらはただいまお見合い中???




ヒメジョオンの花にはモンキチョウやセセリ

蜜が大好きなチョウさんたちに意外と人気なのがアザミの花。




ヒョウモンはまだ羽化したばかりなのか、羽がとっても美しい。

都会暮らしでは蝶についてあまり気にしたことがなかったが、田舎暮らしで身近になった たくさんの蝶たち、種類によって好む花や発生時期が異なることも知った。

田舎で生活することは「人生を豊かにする」ということだね。


田舎暮らしをする小屋、玄関扉はいつも開放状態。
愛用の長靴がドアスットパー代わり。




もちろんテラスドアも全開である。

ここでは暑い夏でも冷房はいらない、窓もドアも開放して自然の風を取り込む。
「開けておくと虫が入って来るんじゃない?」

そんな質問をときどき受けるけれど、田舎暮らしには虫はつきもの。
小屋の中には蝶やトンボはもちろんのこと、ハチやアブも 入ってくる。

人間が危害を与えなければ、彼らは何もせずに外へ出て行く。
虫たちだってたまに小屋内部の探検をしてみても、やはり 広い自由な外の方が好きだからね。




随分前のことだが、まだ小屋を建てるずっとず〜っと前、ある田舎の家を夏に訪れたことがあった。

その家では網戸もせずに窓&ドアすべてが全開、そして室内を数匹のアブがブンブン飛び回っている。

そんな中で家の人達が平気な顔でお茶を飲んでいた。

これには本当に驚いた。
アブが家の中を飛び回っているのに、それが平気だなんて・・・

そのときは「いなかの人って、鈍感なんだなぁ〜」と思っていたのだが、今や私も立派に「いなかびと」の一員になったわけだ。(笑)

田舎人の私たち、夏の暑い昼間にはあくせく働くことはしない。
小屋のソファやベッドに横になり、読書しながらウトウトお昼寝、、、なんだかとっても「し・あ・わ・せ〜」

アフリカの野生動物だって気温が高い昼間は木陰で昼寝して過ごすのだから、「これこそ自然に逆らわない動物本来の生き方なのだ!」と妙に自分を納得させたりして、、、ネ。

夏の午後、時はゆっくり流れる・・・


裏庭周辺では






夏をつげるホタルブクロの花が真っ盛り・・・

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