週末の小屋暮らし
cottage life at the weekend

友だち、参上!




庭に植えたハーブのタイムが花盛りの迎えた8月初め

花の写真でも撮ろうかとテラスへ出た時、遠くから少しずつ近づいてくるバイクの音が聞こえた。

時計を見るとまだ 朝の6時半。
「誰だろう?こんなに朝早く。どこの家に行くのかな?」

音はますます近づき、やがて 一台のバイクが見えてきた。
そして裏庭小屋の前でとまった。





「やぁ!」とライダーが手を振る。
なんだ、彼の同級生Yさんじゃないの。

「昼間に来てもいつも留守だから、この時間ならいるかなぁと思ってね。」

そう言うYさん、小屋建築時には大変お世話になった。
その後も時々小屋に来ているようだが、天気が良ければどこかへ出かけることが多い私たち、どうもタイミングがかみ合わない。

今までも外出先から小屋に戻った時に、小屋の外階段に小石を並べた『Y、参上』の文字を発見すること度々・・・

前もって参上予告をしてくれれば私たちも小屋にいるようにするが、「予定なんて 前もって決められないさ。今朝もバイクに乗って走り出してから決めたんだもの。」
そんなところがYさんと彼はとてもよく似ている。だから 気が合うのかもしれないネ。


「オッ、早いな!」まだベッドにいた彼がロフトの窓から顔を出す。
「おまえが遅いんだよ!」






階下に降りてきて彼はコーヒーを入れ、男同士 テラスでモーニングコーヒー。






小屋を建てた9年前は時々一緒に山歩きをしていたが、膝を痛めたYさんは最近はもっぱらバイク遊び。

{でも、軽い山ならなんとか歩けそうだ。」

9年の歳月でより頭に白いものが多くなった同級生二人、それぞれの母親介護話にも及ぶ。
どちらもしっかり者の母親だっただけに、苦労あり、笑い話あり。
ホント、年月が過ぎるのは早い。

朝8時、村のチャイムが鳴る。
「そろそろ帰らなきゃ」とYさん。
「一緒に朝食しましょう」と誘うと、「いや、済ませてきたから」と。

そういえばYさんはいつも朝4時半に朝食をとっている。
「それに、帰ってからお袋の買い物付き合いもあるんでね。」

朝6時半に現れたYさん、1時間半程テラスにいただけで、またバイクに乗って 去って行った。

 






真夏の装い、8月第1週末の裏庭





● 「週末の小屋暮らし」へ戻る