週末の小屋暮らし
cottage life at the weekend

夏のお出かけ、宿泊は「藤七温泉」


昨年に引き続き、お盆休みはちょっと遠出・・・(8/12-14)

台風の影響も考えて、休み直前に旅を決定。
8月12日、小屋から一路、北へ向かう。

行き先は、秋田県の『森吉山』 (8/13)
ついでに、岩手県との県境にある『八幡平』 (8/14)、

お泊りは、12日は田沢湖高原温泉にある『ブラザホテル山麓荘』
13日は、八幡平にある藤七温泉『彩雲荘』

実は、13日はもう少し下にある温泉宿『大沼茶屋湖』を予約していたが、宿側の事情で宿泊ができず、その姉妹宿の藤七温泉『彩雲荘』に泊まることになった。




もう20年以上前になるが、2〜3ヶ月に一度のペースで秘湯宿に泊まっていた時期がある。

泊まる宿の条件は「秘湯・古い木造2階建て・できれば一軒宿・リーズナブル価格」

「温泉巡り」が趣味ではないので、日帰りで温泉に入るということはせず、「温泉の良さ」より「古い建物」を重視した秘湯泊まりだった。

その後、週末は山歩きをするようになったため、いつの間にか秘湯泊まりをすることはなくなった。

今まで泊まった秘湯宿は「古い木造建物」であるため、ほとんどの宿でトイレや洗面所は部屋になく共同、料理は見た目にも質素でいかにも田舎料理、それが当たり前であった。

でも最近は、旅の宿はビジネスホテル。だから部屋にはもちろんトイレや洗面台が付いている。
そして夕食はホテル・レストランか地元居酒屋で郷土料理etc少し贅沢に。
「トイレのない部屋は嫌」とか言って、快適さとリーズナブルを求めて宿を選ぶようになった。

『藤七温泉』、その名前は記憶にあるので、多分秘湯探しをしていた頃に知ったのだと思う。
でも岩手県は遠いし、建物外観が私の好み(いかにも古い木造)と異なっていたので、具体的な候補にはなっていなかったのだろう。

その藤七温泉(彩雲荘)に、今回縁あって泊まることになった。


彩雲荘の建物は古そうだが、私が好む「見るからに古くて趣のある木造」とは異なる。そのせいで泊まりたい宿の候補に入っていなかったのかもしれない。




でも建物内部は私達が好きなガタピシ感満載。床は傾き、壁や天井は継ぎ接ぎだらけ。

登山の縦走で山小屋に泊まる人達には、このようなガタピシは馴染みかもしれないけどね・・・笑。




入口を入ると売店兼食堂、その横に広間(和室)がある。

売店のレジコーナーが宿のフロント。
受付を済ませ、広間入口で靴を脱ぎ、傾いた廊下を奥へ進み、中央部にある階段から2階へ。

客室は2階の廊下を挟んで両側にあるが、下宿屋さんみたいな感じだ。






トイレと洗面(流し台)は共有。テレビは1階談話スペースにあるだけ。




でも今回、大沼茶屋湖(予約した宿)を通して用意してくれた私達の部屋には、狭いながらもトイレと洗面台が付いていた。
おかげで通常より安い料金で良い部屋に泊まれることになった。


この秘湯宿の良さは、なんと言っても温泉である。

男女別の内湯は別棟にあり、このレトロ感がとてもいい。




洗い場のカランはレバーをひねれば、左側はかなり熱い温泉、右側はとても冷たい水がでる。それを下に置いた洗面器で各自が温度調整をする。

不便だけれど、こういうところが「古い時代そのまま」という感じがしていい。

内湯棟の外に広がるのが、まるで湯畑のように見えるがこの宿のメイン、露天風呂(混浴)。




最下部奥にはヨシズで囲われた女性専用露天風呂がある。
でも脱衣所は内湯にあるので、そこに行くには混浴スペースを通らないと行けない・・・笑。




他にもう一つ最上部にも浴槽があるが、とても熱くて誰も入れない・・・笑。

ここは秘湯巡りをする人たちに人気の温泉なので、昼間は日帰り入浴客で混雑するらしいが、宿泊すればゆったり入ることができる。
(宿泊すれば、夜に1時間の女性専用タイムもある)

普通なら「女性にやさしくない混浴」だが、この温泉の良いところは「持参バスタオルや湯あみの着用可」なので、女性も入浴している。




景色を眺めながら夫婦で一緒に入れる温泉はうれしい。


そして建物の反対側には、岩手山を望む男女別露天風呂もある。
(日の出の時間帯にこの露天風呂に入るのがおすすめとか)



(男湯)

私達が入ったのは朝6時前頃、この日は朝焼けはなく、また日の出の時間帯も過ぎてしまったせいか、他に入る人もなく貸し切り。

ただ下の道路から露天風呂が見えてしまうが、少し離れているし、まぁいいっか・・・笑。



(女湯)


(女湯は浴槽が2段)

 

さて、宿の食事は、夕食も朝食もバイキング形式。
(イワナ塩焼きだけがのったお皿を渡され、他は好きなおかずを・・・)

山の秘湯宿なので食事は全く期待はしていなかったが、たくさんのおかずが並び、デザートもあってとても満足だった。(刺身、天婦羅、温かい蕎麦etcもあった)



(夕食)


(朝食、温泉卵も・・・)

 




今回藤七温泉に泊まって久々に秘湯の良さを思い出し、便利さ・快適さ・豪華料理はないけれど、やっぱり秘湯宿はいい・・・と再認識した。




「またどこか、古い秘湯宿に泊まりに行きたいね。」

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