週末の小屋暮らし
cottage life at the weekend

晩秋の朝・・・


カッコ〜、カッコ〜、カッコ〜♪

早朝まだ暗いのに、彼の携帯鳥が鳴いている。

昨夜、「明日は久々に早起きしようかな〜!」と彼は言っていた。
「朝5時半にならないと、明るくならないわよ」とアドバイスしていたのに、彼の目覚ましカッコーは朝5時に鳴き出した。

彼は窓のカーテンを開け、外のようすをうかがい、そしてつぶやいた。
「な〜んだ、曇り空じゃないか。 これじゃ 朝もや、出ないなぁ〜。」

そう言って、またベッドに潜り込んだ。

私は 先程のカッコーに すっかり起こされてしまい、もう眠れそうにない。
そこで、一人でぶらっと朝の散歩に 出かけた。






早朝の空気は清々しく、とても気持ちがいい。
いつものコースを一人で歩いていると、東の空が少し赤く輝いてきた。

この前霧の朝に一人で散歩した時に、「どうして起こしてくれなかったの」と彼が言った。それを思い出した私は急いで小屋に戻り、ベッドの中の彼に声をかけた。

「ほら、陽が射しそうよ!」
「う〜ん、また今度にする〜」

スヤスヤ寝ていた彼は、いきなり私にそう言って起こされても、睡魔には勝てないようだ。


仕方なく、私は再び一人で外へ出た。そして急いで、裏にある小山へ登った。
そこから日の出を眺めたかった。




「良かった、間に合った!」




朝日に照らし出された景色は、とても美しかった。




彼をちゃんと起こしてあげなかった私は、少し後ろめたい気もしたが、「起きなかったのは彼自身の選択だもの、責任は彼にある!」と自分に言い聞かせ、この美しさを写真におさめられない 自分の腕とカメラの性能を 残念に思いつつも、数枚の写真を撮って小屋に戻った。


寒い朝、庭の落ち葉にも霜が下りていた。
「もうすぐ、冬だね・・・」


 

一人で裏山へ登ったヤツは 誰だ〜! それに霜も下りていたの? え〜ッ、なんで起こさなかったの〜!」と、後で彼が悔やんでいたのは言うまでもない・・・笑。

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