週末の小屋暮らし
cottage life at the weekend

冬から春へ





朝、窓ガラスには吹き付けられた雪が残っている。
前夜ここに着いた時に降り出した小雪が、その後も降っていたのだろうか。

4月になったのに、窓から見える裏庭はモノトーンでまだ冬景色である。






でも庭の角には雪解け時期限定の池も現れ、確かな春の訪れも感じる。


「これじゃ、外仕事 できないなぁ」

薪ストーブを炊いて少し暖かくなってきた小屋から外を覗いて彼がつぶやく。

今日は雪囲いを外したり、折れた木の枝を整理したり、彼としては春の前にいろいろやりたいことがあるらしい。




少しあきらめモードになりつつ、とりあえず雪景色を見ながら朝食。




朝食を終え、後片付けをしていると外が少し明るくなってきた。

振り返るとそこに彼の姿はなく、外から物音が聞こえてきた。
どうやら雪が小降りになった合間に倒木の片付けなどをするらしい。


倒木一本を 短く切り、それをソリに載せて小屋まで運ぶ。

雪がなければ手で担いで運ばなければならず、かなり大変な作業となる。
だから雪がまだ残るこの時期に運んでおく必要がある。




二人が各々ソリを使って数往復・・・




玉切りにした木は乾燥させて薪となる。

「これで3日分ぐらいの薪になるかな?」
「朝から晩まで炊けば2日半ってところだろうなぁ」

冬の薪ストーブは素敵なスローライフだが、薪の確保は体力勝負のハードライフでもある。

でも、まだ体力があるうちはこれも楽しい遊びの一つ。

 

翌朝は青空。




玄関ドアを開けると、そこには鳥の足跡。




「ツグミ」だろうか。
足跡は玄関脇に立てかけられたスコップの陰まで続く。

「ここで風除けでもしていたのかな?」(微笑)

こんな日は庭にも足跡がいっぱい。




こんなにウロウロ歩き回っているのに、その姿を見れないのはちょっと残念。

でも、野生動物が警戒心なく簡単に姿を見せるようだと、厳しい自然界で生きていけるのか心配にもなる。

「いつかここで毎日暮らせるようになったら、きっと彼らに会う機会 あるよね」


まだまだ雪が残るこのあたりでも少しずつ暖かくなり、シジュウカラ、ウソ、ヤマガラ、コガラ、コゲラetc、やってくる鳥たちも増えてきた。




青空が広がるこんな日は、小屋でゆっくり過ごせばもっとたくさんの鳥を見ることができるかもしれない。

でも、今日はこれから福寿草群生地へ行く予定。

「のんびりしていると、何だか雲が広がってきそうだよ。」
「鳥見はまた今度にして、早く出かけなくっちゃね。」


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